電柱と電線の仕組み

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光回線を引き込むために必要な、電柱と電線の仕組みについて

電柱と電線の仕組みについて通信業の視点から解説しています。通信業は高圧の外線電気工事と違い、危険度は低いのですが電柱や電線での作業になりますので高所での作業がメインです。

普段何気に見ている電柱や電線に昇って、光ファイバーケーブルを配線するので、電柱と電線の仕組みが分かっていればより深く光回線の工事内容が理解できます。


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電柱とは

電柱とは、電気の線や通信の線をとめている柱の事で、所有者の違いにより何種類か存在します。

300mm程度の太さで高さが15m程度ある電柱は電力会社が所有する電柱が多く、昔は木で出来た木柱もありましたが倒壊しやすい等の理由により現在ではあまり見かけません。コンクリート柱や鋼管柱がほとんどです。

高圧電線(6,600Vが流れている)が電柱の頂点にあり、光回線などの通信用の電線は5〜8mの高さ付近にあります。


NTTが所有するNTT柱もよく見かける電柱です。高さが6m程度で太さも200mm程度の細い電柱です。高圧電線は取り付けされない電柱で、主にNTTのアナログの電話線が配線されている電柱です。

電柱の番札

電柱の番札

電柱には番札という番号がそれぞれに割り振られています。番札により所有者が電力会社なのかNTTなのかが分かります。番札に電力会社のマークがある場合は、電力会社の所有柱、NTTと番札に表示があればNTTの所有柱です。番札が2枚付いている場合は、基本的に上下の上側に付いている番札の所有柱となります。

電力会社の番札は、「電柱名12 E1W2」等、東西南北かEWSN表示されます。「前橋1G1N1」の意味は、電柱名はその地域を表し番号はその地域の本線にある電柱の何番目かを示します。G1は外1とも表記され、本線の電柱の間、前橋1〜前橋1G1〜前橋2のような使われ方をし、地域によってはXで示す場合もあります。N1は北側に1本進んだ電柱という意味です。NTT柱は、L1R1と左右で表記されます。

光回線の工事員はカーナビがなくても電柱番号でお客様宅を特定できる者もいます。

電線とは

電線とは、電柱に支持されている電気を送電する高圧電線や通信用の電線など、多くの種類があります。

電柱の番札

電柱の一番上15m付近の電線は高圧電線と言い、6,600Vの電気が送電されていて、触ると感電します。よく言われるカラスやスズメが感電しないのは3本ある高圧電線の内、1本にしかとまっていないからです。蛇は体が長いため2本の高圧電線に同時に触れてしまい感電死することが多いです。

光回線の工事は通信工事になるため、高圧電線の位置で作業することはありません。

1POSは、1ポジションのことで、通信用のケーブルが通っている電線です。主に銀行や大手企業等の情報網が張り巡らされており、電線内のケーブルを切ってしまうと、何千万円の損失が発生することもあります。

光回線の工事では、線路側の工事の際に昇ることもありますが、基本的には作業しません。

2POSは、光回線やCATV等、通信用のケーブルが通っています。電力系の光回線の工事では、2POSの作業が主になります。

電線の一番下側がNTTの電線になります。フレッツ光の光ファイバーケーブルは必ず、一番下側の電線から架空配線されます。

地域によっては、通信用の電線は1本だけだったり、4本以上あることもあります。特に都市部では大量の電線が張り巡らされています。


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電線はなぜ切れない?

通信用の電線には、メッセンジャーワイヤーという硬い鋼線で電柱同士を繋いでいます。メッセンジャーワイヤーに沿う形で通信用のケーブルが通されているため、梯子をかけて昇っても切れてしまうことはありません。

メッセンジャーワイヤーの強度はワイヤーの太さにもよりますが、4t程度まで耐えられる構造になっています。

電柱間の距離は通常30mほどですが、場所によっては、50mを超えてメッセンジャーワイヤーを張っている電柱もあります。

家に引き込みされている各ケーブルの見分け方

電線や電柱から、建物に引き込みされているケーブルの見分け方は、電線の出所で判断する方法と、ケーブル自体の太さや色でも判断できます。


低圧線

一番太いケーブルで、青/緑/黒の3色の撚り線です。建物に電気を引き込むために必要です。古い建て物の時は黒い色のケーブルが3本連なって引き込みされているタイプもあります。


電話線

黒い撚り線ケーブルが、電話線です。NTTのアナログ電話や、ADSL回線を利用するための線で、通常、緑色のアース線も同じように引き込みされています。ねじったようなケーブルなので、光ファイバーケーブルとの区別は付きやすいです。


CATV線

10mm程度の太くて黒いケーブルが、CATV(ケーブルテレビ)用のケーブルです。アンテナがなく家で、テレビが見れている場合は、CATVケーブルが引き込みされています。


光ファイバーケーブル

黒くて5mm程度の細いケーブルです。まっすぐなケーブルなので、すっきりした印象です。


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